革連載NO.02 ワニ革について その1

革連載２回目はワニ革についてです。皆さん、ワニ革というとどのような革を想像されますか? 実は、ワニ革と一口に言っても、様々な種類にわけられます。今回は、そのワニ革について、ご説明させて頂きます。

ワニ革の種類

爬虫類皮革の代表的なものと言えば、ワニ革と言っても過言ではありません。現時点で世界中に生息しているワニは、3科9属23種です。その中で皮革として取引の行われている者は、次の種類となります。今回は肚(はら)ワニという種類のワニ革について、ご説明させて頂きます。
ワニ クロコダイル 2WAYバッグ ハンドバッグ ショルダーバッグ マット仕上げ チョコ

1. 肚(はら)ワニ

ワニの背の部分を割き、腹(肚)部分の鱗をいかしたタイプの革です。肚ワニとして取引が行われているワニは以下の種類となります。

A . イリエワニ : スモールクロコ

ワニ革の代表格です。ヨーロッパでは、シンガポールワニとも呼ばれています。腹部の四角形、および長方形をした鱗が美麗にそろったスモールスケールタイプクロコダイルは、ワニ革の中でも最高級品です。腹の部分の頸から肛門にかけて、鱗の横列の数が約31〜35列あります。また腹部の部分は、丸い形状の鱗となります。

生息地はパプワニューギニア、オーストラリア、インドネシアなどの入り江や河川の海水と淡水との混じる芭蕉です。現在では、流通している商品のほとんどが洋食になりつつあり、原皮は主にヨーロッパ、日本、シンガポールへ輸出されます。高級なハンドバッグ、小物、ベルト等に使用されます。

B. ニューギニアワニ : ラージクロコ

日本で古くから広く使用されているワニ革です。腹部の鱗は正方形に近く、鱗の大きさは、スモールスケールタイプより大きく、頸から肛門までの鱗、横列の数は、約24〜32列あります。

生息地はパプワニューギニア、インドネシアなどの淡水、沼や川です。この皮の多くは野生のもので、主に日本やシンガポールに輸出されています。用途はハンドバッグ、ベルト、時計バンド、小物類等です。

ワニ クロコダイル　ハンドバッグ　バーキンタイプ　マット仕上げ　ブラック

C. ナイルワニ : ナイルクロコ

イリエワニ、ニューギニアワニ同様、高級品用の素材として注目されています。腹部の鱗は細かく、長方形の鱗板が腹部全体に整然とならんでいます。腹部の鱗は丸みのある長方形で、その巾は他の種類より狭いのが特徴です。

アフリカ諸国の淡水、沼や河川に生息していますが、現在供給されている皮はほとんど養殖のもので、特にジンバブエ、南アフリがでは大規模ファームで養殖清算されています。主の輸出先は、ヨーロッパ、シンガポール、日本です。用途は、ハンドバッグ、小物、ベルト、時計バンド等です。

D. シャムワニ : シャムワニ

ポピュラーなワニ革のひとつ。腹部の鱗の形状は長方形で、イリエワニに似ていますが、それよりやや大きめです。頸から肛門にかけて、鱗の横列の数は約30〜34列です。また、横腹の部分の鱗は、丸みのある形状をしています。

生息地は、タイ、ミャンマー、マレーシアなどの沼地や河川ですが、現在、商取引されている皮は、全て養殖によるもので、ほとんどタイ国から輸出されています。輸出先は、日本、シンガポールなどです。用途はハンドバッグ、小物、ベルト等です。

E. ミシシッピーワニ : アリゲーター

ミシシッピーワニは全体に胴が長めです。腹部の鱗の形状はクロコダイルに比べるとやや眺めの長方形です。頸から肛門までの鱗の横列数は、29〜34列あります。

生息地はアメリカ合衆国南部のルイジアナ州、フロリダ州などの沼や皮河川が中心です。養殖事業はルイジアナ州を中心に大規模に行われていますが、野生のものも毎年数量を定めて捕獲が許可されています。アメリカ合衆国内だけでなく、ヨーロッパ、シンガポール、日本へ輸出されています。

革の用途は、腹部を利用してハンドバッグ、小物、ベルト、時計バンド等ですが、背部の凹凸の特徴を活かした革(肚ワニに対し、背ワニとよぶ)は、アメリカでカウボーイブーツ用として人気を得ています。

ワニ クロコダイル レディース フォーマルバッグ シャイニング仕上げ

以上が、肚ワニの種類となります。それぞれ部位や種類によって、品質も風合いも異なってきますので、ぜひ、それぞれ見比べてみてください。

次回はカイマンワニ、という種類について、ご説明させて頂きます。どうぞ、お楽しみに。