圧倒的な世界観 Falchi NewYork ( ファルチニューヨーク ) を知る。

今や世界中で名を馳せるブランドFalchi NewYork (ファルチニューヨーク)。1983年、世界のファッションにおいて権威ある「コニー賞」名誉賞を受賞、1980年には彼の作品がメトロポリタン美術館、永久保存コレクションに指定されるほど、圧倒的な世界観を持つブランドの1つです。

特に爬虫類をはじめとするエキゾチックスキンを使ったデザインは彼の特徴。爬虫類などの皮革を使った彼の作品は、他の作品を飲み込んでしまうほどの存在感を発揮し、たとえ新進気鋭のブランドがヘ蛇柄をうまく使っても、『まるでカルロス・ファルチのようだ』と称されてしまうそうです。それほど、彼のデザインは革新的で、パイオニアとして世界中に知られています。

ただし、そんな彼の軌跡を遡ると、決して栄光の時代だけだったわけではありません。どんな有名デザイナーもいうように辛い時期もあったのです。

カルロス・ファルチはブラジル、ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンチで生まれました。1964年、ニューヨークにわたった彼は当時、ロックンローラーを目指しながらウェイターとして整形をたてていました。

当時、19歳だった彼は、まだ貧乏でまともな服も食事も買えない状態。そこで彼は、路上にゴミとして捨ててあった革の切れ端をみつけ、試行錯誤を繰り返しながら一着の服を完成させました。その服は継ぎ接ぎだらけでしたが、ある日、クラブに自作の服を着ていったところ「格好いい!」と賞賛されたそうです。彼の才能が開花しはじめたのはそのころからでした。

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やがて、彼は映画産業へ。彼がデザインしたベルトに注目した仲間の一人が、自分の経営するブティックで取り扱いたいと依頼したのはその頃です。カルロス・ファルチがデザイナーとして世に出始めた一歩でした。

その後、マイルス・デイヴィス、ティナ・ターナー、ミック・ジャガーなどのステージ衣装をデザインするコスチュームデザイナーへと転進。大成功を収めることになります。後に、以前から既存の概念にとらわれない皮革の使い方を追求したいと考えていた彼は、やがて皮革を軸として創作活動を進めていくことを決意。

まず手始めとしてハンドバックを手がけました。生み出す過程において、過去に前例のない形やデザインを与えてみたり、独自の手法を開発したり、様々な実験を試みました。彼が思い描く目標は1つ。ハンドバッグを単なる道具から、ファッションアイテムへと進化させることです。こうして彼のアイテムは洗練され、独自の世界観を構築していったのです。

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カルロス・ファルチの出掛けるデザインは、今ではハンドバッグだけではなく、ベルトや手袋、革小物類、卓上雑貨、パーティーバッグ、旅行カバンにまで至り、あらゆるジャンルにおいてその魅力を発揮するようになりました。

こうして大きな足跡を残しながら、カルロス・ファルチ、そしてFalchi NewYork ( ファルチニューヨーク ) は成長を遂げていったのでした。多くの歴史を内包するブランドは決して1つではありませんが、Falchi NewYork ( ファルチニューヨーク ) の残す足跡もまた、他の歴史とも変わった魅力を持っています。だからこそ、今でも多くのファンを惹きつけてやまないデザインが継承されているのでしょう。

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ぜひ、実際に手にとって、その歴史を感じ取ってみてください。きっと、これまでの皮革製品とは一味違った世界観を感じ取ることができるでしょう。その1品はあなたにとって、大切な足跡を生む糧となってくれるかもしれません。